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万病は「背骨のユガミ」が原因だった!2023.08.14 Monday
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万病は「背骨のユガミ」が原因だった! 松原英多著 健康人新書
読書記録、2年以上ぶりの投稿、、、さぼっていたなぁ。古い本、けれど、あらためて 意識に刷り込ませたい一冊。負荷のかかる不自然な姿勢やクセの蓄積により身体・背骨は圧迫されゆがむ。肩こり・腰痛・首コリだけでなく蓄膿症や内臓の不調に至るまで、まさにタイトルのごとく、万病は背骨のゆがみから起きる解説と改善法がわかりやすく説かれている。
改善法(体操等)はいずれも簡単に実践できる、おススメの著。
数年ぶりに再読した今回は、当時素通読みだった箇所に発見があった。
それは、"禅僧に学ぶ「無の境地」<自由運動>"の一節。
人は、頭も身体も脱力できた状態になると、できるだけ自然な状態に戻ろうと自然な歪み矯正が行われるのだそう。
道具いらず場所いらず、いつでもどこでも、多いに実践たいと思う!
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東京オリンピック19642021.03.25 Thursday
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「東京オリンピック 1964」フォトー・キシモト著 新潮社
東京 1964年10月10日。
晴れ渡った青空のもと、8000羽の鳩が放たれ、大空に5つの輪が描かれた。アジア初のオリンピック競技大会が開幕。
この日を迎えるために、東京の街が、日本全体が、凄まじく変貌を遂げた。
新幹線開通、モノレール開通、高速道路が日本橋の上を通る。
日本武道館/代々木体育館/国立競技場・・・突然現れた不思議な建物。
オリンピックの競技の記録、そして街の様子や日本全体が沸き立つ空気が伝わってくる。・・・だけではなく、戦争の傷跡も・・・。
「当時の写真」と「当時の文章」から当時の日本が、見えてくる。
「当時の文章」を書いた人達は、錚々たる顔ぶれ。
小田実 梶山季之 斎藤茂太 堀口大學 杉本苑子 石川達三
武田泰淳 大松博文 柴田錬三郎 菊村到 冨田常雄
三島由起夫 曽野綾子 市川崑 泉荘一郎 安岡章太郎
黛敏郎 永井龍男 山口瞳 石原慎太郎 北杜夫
ヤン・デンマン
中でも私は、三島由起夫氏の文章に魅かれた。
抜粋
"
〜「美と力の接点・体操」三島由起夫〜
・・・あんなに直線的に、鮮やかに、空間を裁断してゆく人間の肉体。
全身のどの隅々にまでも、バランスと秩序を与えつづけ、どの瞬間にもそれを崩さずに、思い切った放埒を演ずる肉体。
・・・全く体操の美技を見ると、人間はたしかに昔、神だったのだろうという気がする。・・・"
〜1964年9月14日 報知新聞より〜
スゴイ人達の味わい深い文章が集約された、スゴイ記録。もうこれは、永久保存版!
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私の住まい考 有元葉子2019.11.09 Saturday
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「私の住まい考」家と暮らしのこと 有元葉子/平凡社東京、野尻湖、イタリアと3件の家を持つ有元葉子さんの、住まいへの愛と丁寧な想いがぎっしりつまった一冊。住まいに対するこだわり、そしてその地に住むことになる経緯をたどりながら、時間、自然、人間関係を大事に想う気持ちの深い想いが込められている。美的センスの良さは、周知のとおり。そしてそのセンスは、用いる言葉にも溢れ顕れていて、ぶれのない考えが品格ある言葉で語られている。美しい写真とともに言葉にも惹かれました。他の著書でも頻繁に出てくるのが、
"「できない」と頭から否定せずに、どうやったらできるかを考えたほうが楽しい"、というポジティブな行動力。インテリアや調理器具など、住まいや料理・・・すべてにおいて、発想の豊かさが、素敵すぎ♪
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辰巳芳子の野菜に習う2019.07.04 Thursday
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「辰巳芳子の野菜に習う」 マガジンハウス
言わずと知れた素敵な方ですが、
この書には、食材を愛おしんでいただくことの大切さや貴重なレシピのみならず、生き方哲学も美しい言葉で諭されていて、
読み物としてのありがたさが沁みました。
梅仕事のページなどはまさにまさに。
四季の訪れ、日々日常、そして国産のお野菜を一物全体にいただけることの恵みに、大事に丁寧に向き合いたくなる心に響く手引書です♪
"本質"に、謙虚に真摯に向きあう生き方の貴さに感動。
辰巳さんのご著書全部、読破したくなりました!
〜素敵なお言葉を本書より抜粋〜備忘録として〜
ものの世界は正直だ。野菜も米も、肉も魚も、本質そのもの。中で、もっとも正直なのが野菜と思う。
正しく向き合えば、返事が返ってくる。味であったり、仕上がりであったり、その返事に、素直に耳を傾けられるかどうか。それが野菜を扱うべきように扱う、最大の心得と思っている。
その方法は、青菜のことは青菜に聞く、つまり「性根に心添えする」ことに尽きる〜
野菜というものの「いのち」と、人という人間の「いのち」、これを「いのちそのもの」の観点から観ると、人間がもののいのちより優位であると思うのは、単なる思い込みにすぎぬことが見えてくるはずです。
もの言わぬ野菜の求め、これに繰り返し応えることで、美味がうまれる。
いつの日にか、ものと人との関わりを身につけた人になれるはずです。
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ずぶぬれの木曜日 エドワード・ゴーリー 柴田元幸・訳2019.01.28 Monday
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「ずぶぬれの木曜日」 エドワード・ゴーリー 柴田元幸/訳 河出書房新書
雨と傘をめぐる物語がいくつか展開している。
黒ラブラドール風の犬ブルーノが、良い味を醸している。
傘見つけちゃう、子供助けちゃう、心ほっこりしそうになっちゃうほど正当な意外ストーリー!が、とっても新鮮でした。
傘の黒、犬の黒が際立っていて、すごく素敵な絵!
柴田元幸さんの解説によれば、(引用)
〜どうやらゴーリーにおいては、犬は和みの導き手であるようだ〜と。
なるほど!!
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音叉 エドワード・ゴーリー2019.01.21 Monday
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「音叉」エドワード・ゴーリー 柴田元幸・訳ゴーリーの絵本は、奇妙さがクセになる。
わけわからわからない。奇妙さがクセになる。
タイトルが「音叉」なのは?うーーーん、わからない。何度も読み返してみても、明るい気持ちにはならないストーリー。
けれど、不思議と救いないような重たい気持ちにもならないのは、妖怪が愛嬌ありかわいかったりするからか。。例えようのない不思議な後味、不思議な余韻の残る絵本。巻末には柴田元幸さんの解説付き。
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養生サバイバル〜温かい食事だけが人生を変えることができる〜 若林理砂2018.04.18 Wednesday
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「養生サバイバル」温かい食事だけが人生を変えることができる 鍼灸師・若林理砂 KADOKAW
"何も特別な調理をしようというんじゃなし、どんなに仕事が忙しくても、調理が苦手でも、そのまま食べたり、炒めたり、ゆでたりぐらいはできるはず。そう思っていたのですが、どうやらそういうことじゃなさそうだぞ・・・"と危機感を抱いた著者。
想像を絶する悲惨な食生活を送っている人が多いことを知り、Twitterで情報を集め、まとめたのが本書。
"包丁もお鍋もない。そんな人でもできる養生法をお伝えしなくては意味がない。"と、提案されている数々は、簡単で工夫と知恵がいっぱいで・・・こういう本ってなかなか他にはないよねー。
そこには著者の愛と優しいお人柄もたっぷり感じられて、心が温まる一冊です。
予約がとれない大人気の先生であること、頷けます。
砂糖がいけないとか、添加物がよくないとか・・・"○○は健康を害する"的な批判論は世間に情報氾濫している。けれど著者は、少しくらい摂っても良いのですよ〜と、全てに寛容な向き合い方にも共感。
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書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない 田口久美子2018.01.13 Saturday
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「書店不屈宣言」 田口久美子・著 筑摩書房
興味深々で拝読。
書店員の視線で読めば、全ての章においてふむふむ。共感と発見が多かった。初版は2014年に単行本、2017年末に文庫化。
著者の田口久美子さんは、大型書店何店かでの現場経験を積んだうえで、ジュンク堂池袋店の副店長をされている。
本に携わることで痛感する"なんとかならないものか"という問題点が、明快に指摘されていると思った。
そして、何より、著者の純粋な本(そして本を取り巻く人々・環境に対しての)情愛が、すごーくすごーく伝わった。暖かい体温を感じて心地良かった。
タイトルも、とっても気に入りました!!
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文章予測 (読解力の鍛え方) 石黒圭2017.11.04 Saturday
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「文章予測」読解力の鍛え方 石黒圭・著 角川ソフィア文庫
第1章文章理解とは?
第2章予測とは?
第3章問いの予測とは?
第4章答えの予測とは?
第5章予測の表現効果とは?
読書とは・・・書かれた文章の内容を把握するなかで起きる筆者との対話であると。
そして文章の背後に透けて見える筆者と出会い、ときには共感し、ときには納得し、ときには反発するのが読書の醍醐味であり、
よい読み手になるためには文章予測が大事であるという点が5章に渡り細かに解説されている。
20作品以上の名作を題材にして順を追って丁寧に解説があるので、ふむふむなるほどと、読みやすい。
「予測」のいろいろや、「タメを作る」や「行間を読ませる」など、なーるほど。
が、なんとなくわかったけれども、んん?にはムツカシイ?と思える箇所もあったので、再度読み返したいと思った。
予測力を伸ばせば読み上手になれ、それは作文上手につながるというのも新鮮だった。
〜印象に残った部分を引用〜
優れた文章は、重層性のある問いが有機的に関連してできています。そして、その問いを解き明かそうと予測を重ねるうちに、その文章に引きこまれ、読みがひろがっていくのです。
このような深みのある文章に出会ったとき、予測を活かして文章に主体的に問いかけ、その答えを主体的に見いだす力がつけば、読解力は確実に向上します。
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にいさん いせひでこ2017.09.13 Wednesday
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「にいさん」 いせひでこ 偕成社
ゴッホの弟テオが、兄ゴッホの人生を語っている絵本。
哀しいし、重い。
ゴッホの足跡をたどり続けている著者の想いが伝わってくる文章とゴッホの生きづらさが絵に滲み出とている。
すごい本だと感動があった。
画風が他の絵本とは違っている。透明感あり淡くて優しさ溢れる他絵本とは違い、本作品は、重厚だ。
色あいも美しい色使いの中に重々しくと哀しみしっかりと表れているように感じる。そしてそんな中でも、故郷の空・麦畑には特別な清浄と広々感があるのも、胸が熱くなった。
いせひでこさんによるあとがきより抜粋
この絵本は私の中のゴッホとテオのものがたりだ。
1990年以来ずっと、オランダ、ベルギー、フランスと、ゴッホの足跡をたどる旅をつづけてきた。光と影を追いながら、どれほど生と死について考えさせられてきたことだろう。エッセイ『ふたりのゴッホ』、絵本『絵描き』、妹と共訳した伝記『テオ もうひとりのゴッホ』をへて、どうしても描きたかった兄と弟のものがたり。兄の死後、テオがオランダの母に宛てた手紙の中のことば「Ce Frere etait tout pour moi!-にいさんは、ぼくのすべて、べくだけのにいさんだったのです!」が、この絵本を制作するあいだ心をはなれることがなかった。
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